幼児期は、発達のあらゆる面で著しい進歩が見られる時期です。この段階での身体的な変化には、認知や言語の急速な発達が伴います。子どもはまず粗大運動能力と微細運動能力を身につけ、その後で発話や意味の理解を学び始めます。
手の微細運動能力は特に重要で、これによって子どもとモノや人との関わり方が大きく変わります。人間は通常生後1〜2か月でこうしたスキルを身につけ始め、就学前から小学校低学年にかけてさらに多くのスキルを習得していきます。
まず、微細運動能力を習得すること――つまり手首、手、指を制御する小さな筋肉を巧みに使いこなすこと――は、子どもが日常生活でより高い自立性を持つことにつながります(モノを扱う、服のボタンを留める、字を書く、など)。幼い子どもがこうした簡単だけれど重要な日常のタスクをこなせない場合、それはセルフケア能力の発達や自己肯定感、さらには学業成績にまで影響を及ぼしかねません。
数十年にわたる心理学の理論と研究により、幼児期における微細運動能力の発達は認知発達と切り離せないものであることも示されています。

写真: Gabe Pierce
子どものころに高度な運動能力を発揮することが、論理的思考力、記憶力、集中力、そして筋道立てて話す力の向上につながるという、かなり有力な証拠があります(Wang, 2014、Oberer, 2017、Cadoret, 2018)。この関係性が最初に広く知られるようになったのは2010年、バージニア大学とカリフォルニア大学デービス校(米国)の研究者たちが、幼稚園時代の微細運動能力の高さが小学校での読解力と算数力の成功を予測する要因であることを発見したときでした。その結果、微細運動能力の向上は就学前カリキュラムの重要な一部とみなされるようになっています。
残念ながら、微細運動能力の問題は就学年齢に達するまで表面化しないことがよくあります。現代社会では、子どもたちが自分の手で何かを作る機会は少なくなっています。多くの玩具や道具は使い勝手の良さを最大限に追求している一方で、微細運動能力の発達には効果的でないためです。これが学校でそうした子どもたちに余計な負担をかけることになり、学習活動で周囲の子たちについていけなくなることも少なくありません。

写真: Kristin Brown
もちろん、子どもの発達のペースは一人ひとり違います。しかし通常、就学前の段階になると、多くの子どもが絵を描くなどのアート活動を通じて自己表現を始めます。そしてこれは、発達障害を早期に発見し、スキルの構築や健やかな成長に必要な支援をタイムリーに受けさせるための絶好の機会でもあります。
2017年以来、私たちのチームには「SketchARは人々の創造性を伸ばすためのモバイルアプリにとどまらない存在になる」というビジョンがありました。
ここ数か月で、ユーザーが描いた絵を認識・検出するための技術開発(CV+ML+NN)の大部分を完了させたことで、そのビジョンが形になり始めました。このブロックの開発だけでも1年以上を要しました。アプリの中では、これはパーソナライズされたレコメンドシステムのために必要な技術です。」
今や私たちは、ユニークな立場にいることがわかってきました。SketchARは、何百万人分もの手や絵の膨大なデータベースを持つ唯一のプロダクトであり、幼児期の異常を認識・予測する独自のソリューションを構築できる存在なのです。何より嬉しいのは、SketchARのユーザーのおかげで、こうしたデータを含む大量の動画を今この瞬間も毎日受け取り、解析し続けていることです。
私たちはこの分野で大きな前進を遂げられることを願っており、今後10年でSketchARが革新的な機能を提供することでモバイルアプリ業界に変革をもたらせると信じたいと思っています。
現時点では、私たちは医療分野についてほとんど知識がありませんが、ぜひ研究を進めていきたいと考えています。もしあなたが専門知識をお持ちであったり、没入型テクノロジー、コンピュータビジョン、医療の交差点で活動していて力になれそうな方をご存じであれば、ぜひ andrey@sketchar.tech までご連絡ください。
お子さんが創造性を育みながら微細運動能力を伸ばせるよう、絵を描いたり色を塗ったりすることを勧めてみてください。SketchARは iOS と Android でダウンロードできます。

