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拡張現実で建物をキャンバスに変える方法。都市環境にARを導入する上での技術的課題

執筆者: Sketchar読了時間 1 分
拡張現実で建物をキャンバスに変える方法。都市環境にARを導入する上での技術的課題

拡張現実で建物をキャンバスに変える方法。都市環境にARを導入する上での技術的課題。

メディアとしてのスマートフォンは、本質的には冗長な存在だ。突き詰めれば、私たちに必要なのはコンテンツであって、それを収める端末ではない。近い将来、テレビもスマートフォンもノートパソコンも、街中の広告パネルも不要になるだろう。拡張現実(AR)はユーザー体験そのものを再定義しようとしている。

スマートフォンのカメラは人間の目とは違うが、本来は同じであるべきだ。ビジョナリーたちはこぞって未来の姿を見せようとするが、それをどう実現するのか、どんなステップが必要なのかは説明しない。実現の伴わないアイデアには何の意味もない。

例えば、このプロジェクションキーボードのコンセプトを見てほしい。さらに先を想像してみれば、レンズを通して画面やキーボード、その他必要な情報をすべて提供する物理デバイスがひとつだけあればいい、というのは容易にイメージできる。それはおそらく、画面がオプションになった新しいタイプのスマートフォンだろう。

私たちは、手や声、目、あるいは思考だけを使って空間インターフェースとやり取りする方法を学ぶ必要がある。ARにとって最大の技術的課題は、仮想オブジェクトを周囲のあらゆる表面に「貼り付ける」こと、そして機械にあらゆる表面を認識させることだ。

HyperReality — Keiichi Matsuda によるコンセプトフィルム

私たちの世界は、テーブルや壁、床といった無数の表面、そして建物や高層ビルなど周囲にある多くの構造物で成り立っている。おそらく、絶えず自分の周りに鬱陶しい拡張コンテンツが表示され続けるコンセプト動画を見たことがあるだろう。そうした環境がもたらす負の社会的影響は想像に難くないが、技術的な観点から見て、このビジョンは本当に実現可能なのだろうか?

技術的な課題:

現実世界に高精度な仮想画像を「貼り付ける」には、2つの要素が必要になる。

  1. 位置情報に基づくアンカー(ARクラウド内)。この分野に取り組む企業は数十社あるが、都市全体をインタラクションの場として捉えている企業はごくわずかだ。
  2. 深度センサーや5G、GPS情報を使わず、スマートフォンのカメラだけでコンピュータービジョンアルゴリズムによって平面を検出する技術。このアプローチは、ARクラウドプラットフォーム、モバイルアプリ、工場の産業用ロボットなど、ARに取り組むあらゆるプラットフォームや製品により大きな価値をもたらすことができる。どんなカメラでも、遠近を問わずあらゆる表面上の仮想オブジェクトを扱う強力なツールに変えられるのだ。

垂直な平面を扱うための、最も強力なソリューションの一例をご覧いただきたい。

SketchAR のマーカーレス・コンピュータービジョン・トラッキング(ARKit / ARCore不使用)

倫理的な課題:

こう思ったことがある人もいるかもしれない。「なぜAR眼鏡を通してまで、こんな広告を見なければならないのか?目の前にデジタルレイヤーを重ねなくても、現実世界をそのまま見ることができるのに」と。確かにこれはもっともな指摘だが、世界が変わりつつあることは多くの人にとって明らかなようだ。ARは、今のスマートフォンと同じように日常文化の一部として当たり前になっていくと見られている。実際、私たちはそう遠くないうちに、スマートフォンの代わりにARを使うようになるだろう。ARが標準的な習慣になる前にその利用を後押しするため、AR眼鏡を着用すれば住居費の請求額が大幅に下がる、といったインセンティブが登場するかもしれない。あるいは、日常的にARを使う意志があるなら、その他のサービス料金も安くなり、選択肢も広がる、といったこともあり得るだろう。

もうひとつ、おそらくより有益な変化として、屋外広告が現在のインターネット広告と同様の道をたどり、視聴者一人ひとりに合わせてパーソナライズされるようになることが挙げられる。既存の看板広告は、その大半の視聴者にとって無関係な内容でしかない。


消費者向けAR製品のパイオニアとして、私自身、そして仲間のパイオニアたちは、人々が日々製品を使う環境について考えなければならないと感じている。加えて、こうしたコンセプトをどう現実にしていくかを理解する必要もある。解決を待っている課題は山ほどあり、私たちはそれに取り組んでいくつもりだ。

ご質問やご提案があれば、遠慮なく andrey(a)sketchar.tech までご連絡ください。

では、また。

Andrey Drobitko、創業者兼CEO、SketchAR

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