ARで描くのはズルなのか?トレーシングの道具500年の歴史が語ること
スマホカメラでのトレースは、500年続く画家の道具の中で最も新しいものだ。それが何を教え、何を教えないのか、そしてフリーハンドで描けるようになるための使い方とは。

違う。AR描画は、もっと優れたライトテーブルでのトレースだ。スマホが紙の上にうっすらとした画像を重ねる。手はまだ鉛筆を握り、筆圧を決め、線を引く。描かれているものを見ずにアウトラインをなぞった瞬間、それは学びをやめる。時間をかけて不透明度を下げ、最後のパスをフリーハンドで描いたとき、それは学びを始める。
短い答え
Sketcharは一つの観察から生まれた。絵を学ぶ上で難しいのは手ではなく、目だ。トレースは初日から正しい形を紙の上に置いてくれるから、続けられる。それがズルかどうかは、後でどう主張するか、そしてそのトレースをどう使うかにかかっている。トレースした輪郭を観察画として提出すれば、それは嘘だ。同じ輪郭を、顎が耳の下でどう位置するかを学ぶために使うなら、それは研究だ。


アーティストがずっと使ってきた道具
どの世代のアーティストにも、目の前の光景を正確に平面に写し取るための道具があった。
グリッド。1400年代から、アーティストは糸を張った枠越しに景色を見て、マス目ごとに写してきた。
カメラ・オブスキュラ。小さな穴を開けた暗い箱が世界を紙の上に投影する。少なくとも1500年代から画家たちが使ってきた。
カメラ・ルシダ。1800年代初頭に特許を取得した、棒に取り付けたプリズムで、被写体と紙を同時に見せる道具。
プロジェクターとライトボックス。1900年代を通じて、イラストレーターやアニメーター、壁画家たちはスライドを壁に投影したり、光る硝子の上にトレーシングペーパーを置いたりしてきた。
スマホのカメラ。同じ発想をガラスなしで実現したもの。画像は紙の上に浮かび、手の中のスマホに合わせて動き、それを通して描く。
AR描画の仕組みについては別記事にまとめてある。ここで言いたいのは、スマホはこの古いリストの最新の項目であって、そこからの逸脱ではないということだ。
トレースが教えてくれること、教えてくれないこと
トレースが教えてくれること:
プロポーション。鼻が目に比べてどれくらいの長さかを、手が覚える。初心者の多くは目を高く置きすぎるが、トレースがそれをすぐに修正してくれる。
線の自信。どこで終わるか分かっているから、トレースした線は一筆で下ろせる。
構成の順序。レッスンが顔を最初に卵形で描き、パーツを後から描くなら、その手順を身につけられる。

トレースが教えてくれないこと:
見ること。参照を見ずに線をなぞっても、形について何も学べない。
選択。完成した輪郭は、何を含め何を省くかをすでに決めてしまっている。その決断こそが絵の大部分を占める。
立て直し。フリーハンドの絵は小さな修正の連続だ。トレースはそれを飛ばしてしまう。
ARトレースを本当に学びに変える方法
ライトテーブルを先生に変える5つのこと。
不透明度のはしごを使う。まず被写体を不透明度100%で一度描く。2回目は重ねる画像を約半分の不透明度に落とす。4回目か5回目には、行き詰まったときだけ目を向ける幽霊のような存在になる。
一度トレースしたら、フリーハンドで描き直す。トレースした紙の隣にきれいな紙を置き、元の被写体から同じものを描く。両方を見比べる。
輪郭だけでなく、段階的なレッスンを使う。構成――箱、中心線、パーツの配置――を見せてくれるレッスンは、考え方を教えてくれる。輪郭は答えしか教えてくれない。Sketcharには1,000点以上のテンプレートとレッスンがある。段階があるものを選ぼう。
トレースは構成線だけに使う。大きな形と軸線をトレースし、重ねた画像を消してから、輪郭、ディテール、陰影は自分で描く。
比較する。フリーハンドで描いたバージョンを撮影し、アプリ内で参照と重ねて、どこがずれているか見てみる。
ズルになるとき
それを禁じているコンテストやクラス。「観察して描くこと」「補助具禁止」というルールがあれば、重ね画像はそれを破る。プロジェクターやグリッドが破るのと同じように。
トレースしたコピーを観察画として提出すること。写真をトレースして、それを写生として提示するのは、自分の技術を偽ることになるし、その写真が他人のものなら、その人の作品も偽ることになる。どう作ったかを言おう。投影から始まった壁画を、誰も恥ずかしいとは思わない――私たちは初日にそう伝えている。
それ以外――学ぶこと、練習すること、壁を飾ること、子どもと一緒に描くこと――は、道具を使った絵描きだ。
よくある質問
プロのアーティストはトレースをする?
多くの人がする。イラストレーターは自分の写真やサムネイルをトレースし、アニメーターはラフな下描きの上をなぞり、壁画家は壁に投影する。プロの習慣は、自分の構成をトレースしてから、目で仕上げることだ。
いつかそれなしで描けるようになる?
なる。上で説明したように、不透明度を下げてフリーハンドで描き直せば。不透明度100%のままトレースし続ける人は依存したままだが、足場として使う人は数週間で手放せる。
子どもにも大丈夫?
大丈夫。子どもは最初の試みで大きな完成した形を得られる。それが描き続ける原動力になる。Sketcharは学校でも使われていて、教師には無料で提供している。
ダウンロードは無料。自分のテーブルで不透明度のはしごを試すなら、Sketcharで試してみよう。

